平成27年度 山近記念総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 19 31 61 234 282 774 1043 754 169
 年齢構成で最も多いのは、70~79歳までの患者様で、全体の31.0%を占めます。
 次いで多いのは60~69歳までの患者様で、全体の23.0%。60歳以上の患者様の割合は全体の81.4%にのぼり、地域社会の高齢化を反映しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x50x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 170 3.15 4.53 0.00 64.93
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 101 3.43 4.51 0.00 64.35
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術 97 8.41 11.63 0.00 64.04
 当院では大腸癌、乳癌、胃癌を始め胆石症、ヘルニアなどを多く手術しています。
 消化器内視鏡検査ならびに治療、消化器IVR(画像診断装置を利用して行う血管内治療)、内視鏡手術も積極的に行っております。
 当院では原則的に初診医が外来・検査・入院・手術・術後経過観察・術後化学療法の全てにおいて主治医となり、責任を持って一貫した治療を行うことを心がけております。
 
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎(15歳以上) 78 21.95 14.34 3.85 77.72
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 32 39.41 21.69 6.25 85.78
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 25 22.20 12.60 0.00 82.20
 当院の内科に入院される患者様の傾向として、高齢者の呼吸器および尿路の感染症が多くなっています。
 また高齢であることから、入院中に様々な合併症を起こしたり、臥床時間が長くなることでADLが大きく低下してしまい、リハビリを行っても自宅での元の生活に戻るのに時間がかかるという症例が多くなり、平均在院日数が全国平均より延びているという傾向がみられます。ある意味、今後ますます高齢化する日本社会の縮図ともいえる診療科です。


循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 193 3.36 4.87 0.00 71.23
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 106 2.52 3.07 1.89 71.40
050130xx99000x 心不全 23 26.78 18.30 8.70 83.65
 最も多いのは、狭心症などに対する心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈ステント留置術)を行っている症例です。
 次いで狭心症などに対する心臓カテーテル検査を行っている症例です。心臓カテーテル検査は、カテー テルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から心臓まで通し、造影剤を注入して冠動脈を撮影する検査です。
 他に心不全や心臓弁膜症の症例も多くあります。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術  36 35.44 28.70 8.33 82.03
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷 25 32.20 21.52 8.00 72.68
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節置換術等 22 29.50 27.21 0.00 72.09
 当院では、人工関節手術や外傷手術などの関節外科を専門とし、リウマチ科・脊椎外科・手の外科・足の外科・スポーツ整形外科をも含む、幅広い領域の診療を行っております。
 近年は地域住民の高齢化が顕著であり、それに伴って当科でも高齢者に多くみられる大腿骨近位部骨折の症例が多くなっています。次いで、胸椎、腰椎圧迫骨折の症例も多い傾向です。
 脊椎の圧迫骨折は①診断が遅れて脊柱変形が残存しやすい、②入院加療を行える医療機関が限られているため十分な安静加療が行えない、などの点が問題です。これに対し、当科では積極的にMRIで早期診断し、圧迫骨折が疑われた場合は直ちに入院精査を行う方針で対応しています。
 人工膝および人工股関節手術に関しては、極力低侵襲手術を採用しており、膝では約8cm、股関節では約6cmの皮膚切開で手術する症例が多いです。術後リハビリにも注力しており、他院と比較し歩行が安定するまで加療できる点も重要なポイントです。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 55 20.15 18.08 1.82 74.24
010070xx97x00x 脳血管障害 21 15.95 12.14 0.00 69.48
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 10 19.50 10.02 0.00 76.50
 最も多いのは、急性期脳梗塞の薬物治療で、脳保護療法や血栓溶解療法を行っている症例です。
 次いで内頚動脈狭窄症、中大脳動脈狭窄症となっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 33 6.03 8.02 0.00 70.27
110420xx97xx0x 水腎症(その他) 14 2.07 5.49 0.00 63.00
11013xxx020xxx 下部尿路疾患 尿道狭窄内視鏡手術等 - - - - -
 膀胱癌で手術を行っている症例が最も多いです。侵襲性の低い経尿道的手術を行っています。他には水腎症(尿管狭窄を伴う)、尿道狭窄、腎尿管結石などが多くなっています。
 なお、DPC対象外症例ですが、前立腺の疑いのある場合に行う前立腺針生検の検査入院が98症例あります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 14 10 18 31 17 15 1 7
大腸癌 7 12 49 93 15 228 1 7
乳癌 32 50 12 3 7 12 1 7
肺癌 - - - 16 3 2 1 7
肝癌 2 2 7 4 4 17 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 延べ患者数としては大腸癌が最も多くなっています。
 次いで乳癌、胃癌となっており、乳癌は早期癌の症例が多いことが分かります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 11 7.36 59.18
重症度 1 27 18.48 75.41
重症度 2 18 14.50 79.94
重症度 3 15 30.40 88.53
重症度 4 4 12.00 89.75
重症度 5 1 27.00 86.00
不明 1 8.00 78.00
 当院の市中肺炎で入院される患者様は、比較的軽症の方が多くなっています。
 また、重症度0~3では、重症度が高くなるほど平均年齢が高くなり、在院日数も長くなっている傾向にあり、やはり高齢者は同じ肺炎でも重症化しやすく、治療にも時間がかかるということがみてとれます。
 なお、重症度4で、平均在院日数が短くなっているのは残念ながら死亡退院となるケースが多いことによるものです。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 7 8.71 74.57 0.00
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 81 30.78 74.19 4.40
その他 10 21.10 73.60 0.00
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 4 19.50 72.75 0.00
その他 22 9.95 70.36 0.00
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 1 3.00 73.00 0.00
その他 5 15.20 69.20 0.00
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 1 19.00 49.00 0.00
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
 【I63$】脳梗塞では約9割の患者様が、発症日から3日以内に治療を受けられています。脳梗塞の急性期における治療では、迅速かつ適切な対応が必須となります。
 【I65$】の主な疾患は、内頚動脈狭窄症、【I66$】の主な疾患は、中大脳動脈狭窄症になります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 60 1.22 2.65 0.00 67.12
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術) 52 1.08 3.77 0.00 63.65
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 50 3.48 5.20 0.00 62.96
 鼠径ヘルニアは、上記の開腹手術以外に腹腔鏡手術が10あります。
 乳癌の手術は、上記の術式と他の術式を合計すると104になります。
 手術の術式によって細分化されるため、上位3位に入ってない手術を補足すると、
 胃癌は開腹手術と腹腔鏡手術の合計が43、大腸癌は開腹手術と腹腔鏡手術の合計が55になります。
 他には、下肢静脈瘤の血管内焼灼術(レーザー手術)、子宮筋腫の子宮動脈塞栓術(UAE)も数多く行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 196 1.24 5.37 0.00 72.16
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 24 0.00 5.33 0.00 67.92
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 19 0.00 25.26 5.26 75.32
 上位3位は、狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞に対してそれぞれ行う、心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈ステント留置術)です。これは、カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から心臓まで通し、冠動脈の狭窄や閉塞部分に対してバルーン(風船)やステント(網目状の金属製 の筒)を用いて病変部分を拡張し治療する方法です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝)(股) 28 1.61 27.29 0.00 72.00
K0461 骨折観血的手術(大腿) 27 4.74 28.00 7.41 83.00
K0462 骨折観血的手術(下腿) 16 2.19 12.94 0.00 68.81
 高齢者に多くみられる変形性膝・股関節症の人工関節置換術、大腿骨近位部骨折の骨折観血的手術が多くなっています。
 人工関節手術はMIS(最小浸襲手術)にて行っており、骨折手術も髄内釘型インプラントを主体とした低浸襲手術にて加療しています。これによって術後患者様の早期離床が可能となり、重篤な術後合併症であるDVT(深部静脈血栓症)の予防にも寄与しています。
 当院では、執刀医が術前診察・手術・術後リハビリを一貫して担当させていただく「治療の継続性」を 重視しております。退院後も担当医が引き続き外来診療を行い、日常生活への復帰を見守って参ります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 20 7.10 22.55 5.00 67.60
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
 最も多いのは脳血管の動脈形成術、吻合術(バイパス手術)です。これは脳梗塞を治療する目的で行う、血流の少ない所の血管に、別の所から血管を持ってきて繋いであげることで、血流が不足している部位の血流を増やすというものです。
 他に、頭部外傷後の慢性硬膜下血腫に対する手術、内頚動脈狭窄症に対するステント留置術が2位、3位となっています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 41 0.93 4.51 0.00 71.63
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 12 0.08 3.67 0.00 62.33
K821-2 尿道狭窄拡張術(尿道バルーンカテーテル) - - - - -
 最も多いのは膀胱癌で手術を行っている症例です。侵襲性の低い経尿道的手術を行っています。
経尿道的手術は、尿道から内視鏡を挿入して治療をを行います。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 184 1.00 1.01 0.00 76.39
白内障は水晶体再建術(超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入術)という方法で手術を行います。
濁った水晶体を、超音波で細かく砕きながら吸い出し、水晶体のかわりに「眼内レンズ(人工のレンズ)」を挿入します。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.03
異なる 9 0.27
180010 敗血症 同一 6 0.18
異なる 14 0.42
180035 その他の真菌感染症 同一 - 0.00
異なる - 0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一 26 0.77
異なる 5 0.15
 臨床上ゼロにはなりえないものの、少しでも改善すべきものとして定義される感染症および合併症の発生率を示したものです。
 播種性血管内凝固症候群は、何らかの原因によって血液が固まる力が強くなり、様々な場所で血液が凝固し血栓ができ、臓器不全等を引き起こしてしまうことがあります。
 敗血症は、感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身の炎症性反応を伴います。
 手術・処置等の合併症は、主に術創部の感染や出血によるものです。
更新履歴
2016/9/16
平成27年度の病院指標を公開しました。